TwitterやInstagramなどSNS映えする写真の一つが夜景です。
今回は夜の飛行機を夜景として撮影する「長時間露光」について解説します。
実は初心者にも簡単に撮影できるおすすめのシーンなので是非試してみてください。
長時間露光で撮る飛行機夜景
長時間露光撮影には高い技術は必要ナシ。
カメラと三脚があればキレイに撮影できるのでカメラ初心者の方にも取っつきやすい撮影シーンです。
用意するもの
三脚
カメラをしっかり固定できる三脚は夜の長時間露光撮影での必須アイテム。
長時間露光は短くても数秒、長ければ数十秒に渡ってシャッターを開けて保持する必要があります。
いくら息を止めて手ブレ補正を効かせても、十数秒も同じ場所でキープするのは生身の人間にはほぼ不可能ですからね。
カメラ
当然ですがカメラが必要になります。
長時間露光撮影では必ずしも高性能なカメラやレンズは必要ではなく、エントリーモデルのデジタルカメラでも十分キレイな写真を撮ることができます。
ただし日中の撮影とはカメラの設定を大きく変える必要があるので事前に準備しておきましょう。
どんなレンズを使う?
普段飛行機を撮っているレンズで十分撮影可能です。
飛行機の大きさや距離は毎回変わるため、焦点距離を自由に変えられるズームレンズがオススメです。
カメラの設定
実際に撮影に行く前にカメラの設定を長時間露光向けに変更しておきましょう。
カメラメーカーやモデルによって多少違いがありますが基本的な設定項目は同じなので、説明書等を参考に設定してみてください。
使用するモードはマニュアルモードです。
F値
絞りはレンズによって異なるものの概ねF5.6~F8程度まで絞ります。
これは被写界深度を得るためであると同時に夜景写真のアクセントとなる「光条」を出してあげるためです。
飛行機には航法灯や衝突防止灯、タクシーライト、そして誘導路や滑走路に設置された空港の灯火設備など様々な光源があるのでこれらを輝かせるとより一層映える写真に仕上がります。
ISO感度はなるべく低く!
シャッタースピードを極端に遅くする長時間露光ではISO感度を高くせずとも明るい写真を撮ることができます。
とはいえ動き出す直前の飛行機を狙う場合やブレるリスクを下げるためにはISO感度は高いほうが安心。
カメラに応じたノイズが気にならないギリギリのISO感度に設定しておくと良いでしょう。
目安はAPS-C機ならISO400程度、フルサイズ機でも1600程度までです。
手ブレ補正/ノイズ軽減機能はOFFに!
レンズに搭載されていることの多い手ブレ補正機能やカメラのノイズ軽減処理機能。
三脚にカメラを据えて撮影する長時間露光撮影の場合、手ブレ補正が働くことで逆にブレてしまい失敗の原因になります。
手ブレ補正を搭載しているレンズにはON/OFFの切り替えができるスイッチがついている場合が多いのであらかじめOFFに、カメラの長時間ノイズ軽減機能も使用しない設定へ変更しておきましょう。
レフ機はミラーアップ/ライブビュー撮影で!
一眼レフ機は撮影の際のミラーショックがブレの原因になります。
カメラの設定でミラーアップ撮影に設定、もしくはファインダーを覗かず液晶パネルでライブビュー撮影を行うとミラーショックの影響を受けずに撮影できます。
ドライブモードはセルフタイマー
ブレさせないためにレリーズなどでシャッターを切れない場合はセルフタイマーを使って撮影します。
しっかりした三脚なら短め(2秒)、揺れが収まりにくいトラベル三脚などを使う場合は長め(10秒)に設定しておくとよいでしょう。
撮影してみよう!
カメラの設定ができたらいよいよ空港へ撮影へ向かいましょう。
撮影ポイントに着いたら三脚を準備します。レンズの先端がフェンスぎりぎりに来るようにセットし、フェンスが写り込まないようにします。
おすすめのシーンはタキシング直前
はじめてでもオススメのシャッターチャンスは飛行機がゲートからプッシュバックされ、トーイングカーが離れてからタキシングを始めるまで。
この間エンジンスタートやタキシングの許可など機体が止まっている時間が長いので撮影しやすい条件が揃います。
とはいえ時間に余裕はないのでプッシュバック位置を見越して構図を決めておき、トーイングカーが離れると同時にシャッターを切れるようにしておくと良いでしょう。
フォーカスを合わせる
構図が決まればフォーカスをあわせます。
基本は機首に合わせますが後ろがちの構図の場合は垂直尾翼などに合わせても良いでしょう。
液晶パネルがタッチ操作に対応している場合はタッチフォーカスで大まかに合わせ、状況に応じてマニュアルフォーカスで調節します。
最近のデジタルカメラは暗いシーンでもバッチリAFが機能するモデルが多いので、小さな液晶パネルではピントがわからない場合はAFに任せてしまっても良いかもしれません。
露出はシャッタースピードで調節
ピントも決まれば最後に露出を設定します。基本はカメラに表示される適正露出です。
絞りは被写界深度・光条、ISO感度はノイズの関係からなるべく変更せず、露出はシャッタースピードで調整します。
空港内の照明に照らされていれば数秒~10秒程度、照明が届かない場合は10秒~30秒の露光時間になることが多いはずです。
万が一最大露光時間でも適正露出に届かない場合は暗すぎるのでISOを上げるかその機体は諦める判断も必要です。
幻想的な飛行機夜景の世界へようこそ!
簡単に飛行機のバルブ撮影の手順をご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
はじめはうまく行かなくても、数回練習すれば誰にでも美麗な夜の飛行機を撮影できるようになります。
SNSでも人気の映える飛行機夜景を是非楽しんでみてください。